第二種免許とは?取得要件や必要な仕事、試験内容について徹底解説

2021年07月14日

自動車免許には一般的に私たちが取得する「第一種免許」の他に「第二種免許」という区分があります。取得要件や試験内容などが異なり、第二種免許の保有が必須となっている仕事もあります。

今回は第二種免許がどのようなものなのか?取得する方法やメリットなどを解説。この記事で第二種免許のすべてがわかります。

第二種免許とは?第一種免許との違い

第一種免許と第二種免許の違いは「乗せた人から料金を貰うかどうか」です。第一種免許を持っていても家族や友達、会社関係の人などを乗せることはできます。しかし、バスやタクシーのように車にお客さまを乗せて目的地まで連れて行き、対価として料金をもらうという「商売」をすることはできません。第二種免許を持っていればそういった商売が可能となります。お客さまを乗せて運賃をいただく仕事をして会社から給料を貰う、プロの運転手になるための免許なのです。

第二種免許の種類

第二種免許にはさまざまな種類のものがあり、運転できる車両や乗車定員(乗せられるお客さまの人数)、最大積載量(積み込める荷物の重さ)、車両総重量(乗車定員や最大積載量を含めた車両の重さ)が異なります。

たとえば、普通二種を取得したらタクシーは運転できますが、大型バスは運転することはできません。大型二種を取得する必要があります。なお、けん引二種と大型特殊二種については日本国内に該当する車両自体が存在しません。現実的には普通二種、中型二種、大型二種のいずれかを検討することになるでしょう。

車両の例 乗車定員 最大積載量 車両総重量
普通二種 タクシー
運転代行業の自動車など
10人以下 3トン 5トン
中型二種 中型バス 等 11人以上29人以下 3トン超6.5トン未満 5トン超1トン未満
大型二種 大型トラック
路線バス 等
30人以下 6.5トン 11トン以上
けん引二種 トレーラーバス等
大型特殊二種

※横スクロールできます。

第二種免許が必要な仕事と第一種免許でもできる車を使った仕事

先ほども説明したように、第二種免許が必要なのは「お客さまを乗せて料金を貰う」というケースです。乗り合いバス、貸切バス、タクシーなどはお客さまを乗せて目的地まで送ることで料金をいただく商売なので、第二種免許が必須となります。

荷物を届ける場合や人は乗せるけど料金をもらわない場合は第一種免許でも問題ありません。宅急便の配達やホテル・旅館のシャトルバスや送迎車、介護者の移動車両、霊柩車などは、二種免許は不要です。特にシャトルバスや介護関連は「お客さまを乗せている」ので二種免許が必要そうに思えますが、運賃を貰わないため一種免許でも問題ないという解釈になります。

第二種免許の取得のメリットとは?

第二種免許を取得すればタクシードライバーやバスの運転士として就職することができます。お客さまを乗せるプロのドライバーを目指すなら必須です。今はそのような職業に就かなくとも、将来就職や転職の幅が拡がります。また、運転して人を運ぶ仕事をしなくとも、二種免許を取得することで一種免許では学べない知識が身につき、普段の運転に活かすことができます。

介護が必要な方にはどのように乗車を手助けすればいいのか?目の不自由な方にはどのような配慮をすればいいのか?といった専門的な知識を身につけることができます。仕事で人を乗せる機会が多い方は取得してみてもいいかもしれません。万が一家族が要介護者になってしまったり病気を患ってしまったりしたときなど、プライベートにも役に立ちます。

また、第二種免許を取得することで、より高度な運転技術と安全意識が身につきます。今以上に運転をレベルアップさせたい方にもおすすめです。

第二種免許の取得の方法

第二種免許を取得する方法としては「教習所に通う」「免許試験場で一発試験を受ける」という2つのパターンがあります。

教習所の場合は第一種免許と同じように教習を受講して卒業検定と筆記試験に合格して免許が交付されるという流れになります。一発試験ではいきなり筆記試験と技能試験を受けて合格した後に教習所で応急救護講習など「取得時講習」を受講してから免許が交付されるという流れです。

ただし、一発試験は合格率が10%と非常に低い傾向があります。プロのドライバーが取得する免許なので、求められる知識や技術レベルが高く、基準も厳しめとなっています。よほど自信があるという方以外は、教習所に通ったほうが無難です。

第二種免許の取得要件

第二種免許は取得要件についても第一種免許と違いがあります。やはりお客の命を預かるプロドライバーの免許なので、運転の経験が求められ、年齢制限なども厳しく設けられています。

年齢 満21歳以上
運転経歴 普通車、中型車、大型車、大型特殊車のいずれかの免許取得から3年以上経過(免許停止期間は除く)。もしくは、他の第二種免許を持っている。
視力 両眼で0.8以上、片眼で0.5以上。
(眼鏡、コンタクトレンズ等使用可)
深視力検査の平均誤差が2CM以内であること。
言語能力 一般的な日本語の読み書きができ、その内容の理解が可能なこと
身体能力 自動車の運転に支障をきたすような身体障害がないこと
聴力 10メートルの距離から、90デシベルの警音器の音が聞こえること(補聴器の使用は可)

※横スクロールできます。

第二種免許の取得に必要な期間

取得に必要な期間については第一種免許とそれほど違いがありません。合宿など短期集中の教習であれば10日前後で取得することができます。教習所に通って地道に教習を受け続ける場合でも1ヶ月ほどで取得できるでしょう。

第二種免許の取得にかかる費用の相場

教習所で取得する場合は今現在所有している免許や取得を目指す二種免許の種類などにもよりますが、合宿であれば19万円~35万円くらい、通学の場合は21万円~37万円くらいになります。試験場での一発試験の場合は1回の試験につき4万円ほどかかります。

なお、先ほども説明したように試験場での合格率は10%程度です。何度も落ちてしまうと、教習所のほうがかえって安上がりになる可能性もあります。

試験における第二種免許の第一種免許との違い

第二種免許についても第一種免許と同じように学科試験と実技試験の両方があります。ただし、やはり難易度は第二種のほうが高くなっています。

学科については第一種で学んだ知識に加えて旅客輸送に関わる知識(お客さまを乗せる際にどのような配慮をしなければいけないか?などの知識)が求められます。学科試験の合格点は第一種免許と同様90点です。

実技試験は「乗客を乗せた状況を想定しながら安全で正確な運転ができるか」が基準となります。第一種以上に丁寧な運転と安全に対する意識が必要です。また、鋭角カーブなどの課題も追加されます。合格点は第一種免許よりも10点高い80点です。

まとめ

第二種免許は第一種免許と比較すると要件や難易度は格段に上がりますが、合格すればプロのドライバーになることができます。将来タクシードライバーやバスの運転士を目指す方は必須です。また、プロを目指さなくても日頃の運転に学んだことを活かせる、将来の就職や転職に役に立つなどのメリットもたくさんあります。

運転のプロになりたい方、運転の仕事に興味がある方、運転技術を向上させたい方は取得を目指してみるのもいいかもしれません。

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