通学型の場合の免許取得までの主な流れ
免許取得までにかかる最短日数は15日程度
教習所で免許取得に必要な教習については、法律で時限が定められています。そのため技能教習が3時限少ないAT限定車の免許については最短で15日、MT車の免許については18日で卒業することが可能です。ただし、卒業後に本免許試験を受けて合格しなければ免許証は取得できません。
免許取得で必要となる教習時間
自動車免許の取得では、座学と呼ばれる学科教習と運転技術を学ぶ技能教習を受講しなければいけません。法律で定められた時限があり、第1段階では学科は10時限、技能はMT車で15時限以上、AT限定は12時限以上となっています。第2段階では学科は16時限、技能はMT・ATどちらであっても19時限以上受ける必要があります。
注意したい受講可能な教習時間について
学科教習は1日に受講可能な時限の制限がありません。そのため教習所で設定されている学科教習の時間割と自分のスケジュールが合えば、積極的に受講していくのがおすすめです。一方、実際の運転を行う技能講習では、道路交通法施行規則によって第1段階では1日2時限、第2段階では1日3時限までの受講しかできないことになっています。また第2段階では3時限まで受講が可能ですが、連続2時限受講したあとは1時限分の休憩をすることが義務づけられています。
仮免許取得のための修了検定を受けるためにはどれだけ技能講習を進められるかがカギ
学科教習は比較的スムーズに進められますが、仮免許を取得するためには学科試験だけでなく修了検定にも合格する必要があります。第1段階で定められている技能講習の必要受講数を超えても、指導員から「みきわめ」をもらわなければ修了検定を受けることができません。みきわめとは技能教習で学んだことをきちんと理解しているか、また技能が身についているかを指導員が判断するものです。さらにみきわめを受ける場合には、効果測定(学科試験の前に受けるもので、学科教習の終了後に受けることができる)に合格している必要があります。学科に時間がかかりそう、また技能に時間がかかりそう、それぞれ個人差がありますので自分で判断してスケジュールを組むことが必要です。
注意したい有効期限について
教習所に通学する場合、合宿型とは違い教習は自分のペースで進めることが可能です。ただし免許取得までには以下のように期限が定められていますので注意が必要です。
教習や試験に関する有効期限
教習にかかる期限 | 9ヶ月 | 教習開始から期限内に全課程を終了しなければならない |
---|---|---|
仮免許の学科試験の期限 | 3ヶ月 | 技能試験の修了検定に合格した3ヶ月以内に学科試験に合格する必要がある |
仮免許証の有効期限 | 6ヶ月 | 仮免許の期限である6ヶ月を過ぎると卒業検定を受けることができない |
卒業検定合格の期限 | 3ヶ月 | 技能と学科の定められた教習を終了してから3ヶ月以内に卒業検定に合格しないと無効になる |
卒業証明書の有効期限 | 1年 | 卒業検定に合格しても運転免許センターの試験に1年以内に合格しなければ無効になる |
教習所では有効期限について特に指導があるわけではありません。自分で有効期限に注意しながら免許取得を目指す必要があります。
繁忙期には特に注意が必要
教習所では入校希望者が集中する繁忙期があります。学校などが長期休暇に入る春と夏の時期は、どの教習所でも多くの受講者がいるため、技能教習の予約が取りづらくなったり、自分の予定に合わせて検定を受けることが難しくなったりします。スムーズに検定に合格すればいいのですが、技能や学科のどちらかで不合格になった場合には、再度検定を受けなければなりません。特に、技能検定で不合格になった場合には追加で教習を受ける必要があるため、考えている以上に時間がかかります。
通学型の教習所に向いているのはどんな人?
教習所では、最大9ヶ月までは受講が可能です。そのため自分のペースでじっくり運転技術を身につけたい、検定に落ちても教習から再スタートが可能な時間的余裕がある人にはおすすめといえます。ただし、教習所でも短期間で免許取得ができるよう時間割を組んだコースを設定するなど、さまざまな取り組みをしていますので、いくつかの教習所を比較し自分に合った教習所を選ぶことをおすすめします。
合宿型の場合の免許取得までの主な流れ
合宿型は通学型と違い、合宿期間が決まっているのが一番の特徴です。そのため入校から卒業までのスケジュールが決まっています。以下にご紹介する流れは、AT限定での最短のスケジュールです。
1日目
集合・入校受付・説明・適性検査・先行学科
1日目~6日目
第1段階 (技能講習(MT15時限以上、AT12時限以上・学科講習2~10時限)
7日目
修了検定・仮免許学科試験
仮免許取得で第2段階へ
7日目~13日目
第2段階(技能講習19時限以上・学科講習11~26時限)
14日目
卒業検定
合格後卒業式・合宿終了
(各自で運転免許センターの試験を受験する必要あり)
このスケジュールはあくまでも一例です(AT限定車の免許の場合)。
通学型と合宿型の違いとは?
通学型も合宿型も、免許取得のために必要な技能と学科の教習時間は決まっています。ただし通学型は自分のスケジュールに合わせて教習を予約する必要がありますが、合宿型の場合は限られた期間で技能も学科も受講ができるようスケジュールが組まれています。そのため教習に集中することができ、免許取得が短期間で可能となっているのです。ただし合宿型の場合は、指定された宿泊場所と教習所以外への外出は休校日以外は制限されていることもあります。その一方で、教習生同士のレクリエーションなどが開催されるなど、通学型では体験できないことも多くあります。
合宿型は集中して学ぶことが可能
通学型の場合、学科教習は教習所であらかじめ時間割が決まっているため、それに合わせて登校することが必要です(ただし学科教習は順番に受講する必要はない)。また技能教習については、前もって予約が必要なことに加え、空き時間ができたから受講しようと思っても空いていないことも多くあります。合宿型の場合は期間内に検定に合格し卒業することが目的となっているため、学科と技能の教習時間が確保されています。集中して受講することができるため、間が空いて忘れてしまうといったことがないのも大きなメリットです。
合宿で延長になることはあるの?
合宿型では入校から卒業まで、教習が定められた時限で取得できるよう時間割が組まれています。ただし学科や技能に関しては、習得に個人差があるため検定に不合格になる可能性もあります。その場合は再度教習を受け、検定を受ける必要があります。ほとんどの場合は期間内に検定をクリアできますが、体調不良ややむを得ない事情で一時帰宅などをした場合には延長しなければ教習を受講できないこともあります。そういった場合には延長の手続きを取ることが可能です。ただし延長が可能なのは、不可抗力な事情が対象であることが多く、ほとんどの場合は自費で宿泊費などを負担する必要があります。延長が可能かどうか、また延長する場合にはどういった費用が必要になるのか事前に確認しておくことが必要です。
合宿型の場合は運転免許センターの試験は自分で行く必要がある
合宿型の場合、卒業検定までがワンセットとなっています。そのため運転免許センターでの学科試験を受ける必要があります。運転免許センターの試験は住民票のある都道府県のセンターで受験しなければなりません。さらに卒業証明書の有効期限は1年となっていますので、合宿の終了後なるべく早く受験をするようにしましょう。
合宿型の教習所に向いているのはどんな人?
合宿型は短期集中で学科や技能の教習が受けられますので、その期間に休みが取れる人、また短期間で免許を取る必要がある人にはぴったりといえます。また集中して勉強することが得意な人にも向いています。合宿型の場合、自分の在住している以外の場所にある教習所でも参加が可能なので、観光などを楽しみたいと考えている人にもおすすめです。