教習所の第二段階では「高速教習」と呼ばれるものがあります。その名のとおり高速道路を走る教習で、一般道での教習とはまた違った点に注意しなければいけません。そのため、多くの教習生が教習前に不安を覚えたり、緊張したりしているのですが、落ち着いて臨めば大丈夫。
今回は高速教習前に準備しておきたいことや高速道路を安全に走行するコツをご紹介します。免許を取得した後でも役立つ内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
高速教習とは?
冒頭でも説明したとおり、高速道路を走る教習です。教習生は2人乗車して出発地のIC(インターチェンジ)から目的地のICまでを1人目が、その帰りをもう1人が運転するのが一般的です。場合によっては1人が行きも帰りも運転することもあります。また、教習所によってはシミュレーターで高速教習が行われることもあります。
怖いと思われるかもしれませんが、注意点を押さえておけばそれほど難しいことではありません。コツさえ掴めれば、むしろ一般道よりも快適に走ることができます。
高速教習に臨む前に準備すべきこと
ここからは高速教習のポイントについてお伝えします。高速道路では何かあっても次のICまで降りることができず、ちょっとしたトラブルも命取りになりますので、普段以上に入念な準備が必要です。
車の点検は念入りに!
まずは車の状態をしっかりとチェックしましょう。燃料は十分にあるか?タイヤの空気圧は適正か?灯火類はしっかり点灯するか?停止表示器材は積み込んであるか?を確認してください。特に高速道路ではガス欠やタイヤのバースト(破裂)が発生しがちです。燃料やタイヤの状態は入念に見ておいてください。
また、ICに入る前にも走行中に異音が聞こえたり、ハンドルやブレーキが効きにくかったりといった違和感がないかも確認しましょう。高速道路ではひとたび事故を起こすと大惨事につながる危険性が高いので、いつも以上に念入りに点検してください。
体調管理をして、トイレは済ませておく
高速道路では一般道のようにすぐにコンビニなどに駆け込むことができません。サービスエリアやパーキングエリアにトイレがありますが、到着するまでに時間がかかります。高速道路に入る前には必ずトイレを済ませておいてください。体調が悪い場合はキャンセルすることも考えましょう。
また、眠気も大敵です。高速道路では居眠り運転・過労運転による事故も多発しています。前日は早く寝て、お腹にいいものを食べて、体調をバッチリ整えてください。
料金所での流れを確認しておく
高速道路に入る前には料金所を通らなければいけません。一般(現金支払い)とETCではレーンが違い、間違えると大変なことになります。どちらで支払うのか事前に確認しておきましょう。一般の場合は料金所で停止して通行券を受け取る、ETCの場合は減速して通過するなど、レーンによって利用方法も異なるので、動きも頭に入れておきましょう。
また、よくあるのがETCカードの挿入し忘れです。出発するまえにカードが端末に入っているかもチェックしてください。
高速道路と一般道ではどこが違うの?
高速道路と一般道の違いはなんと言っても速度です。一般道は最高速度が60km/hに制限されていますが、高速道路は100km/hとなっています(80km/h、120km/hなど場所や状況、天候などによって制限は変わります)。最初はスピード感の違いに戸惑うかもしれません。
ただ、一般道のように交差点や踏切がなく、歩行者や自転車が通行していることもないので、一定のペースで走り続けることができます。速度や周囲の車の流れにさえ慣れればゆったりとドライブできて、早く目的地に到着でき、疲れも少ない、快適な道路です。
高速教習で安全に運転するためのコツ
準備が整ったらいよいよ出発です。ここからは高速教習で安全に運転するためのコツを伝授します。はじめての高速走行で緊張するかと思いますが、以下のことを意識すればきっと高速教習はうまくいくでしょう。
高速道路本線に合流するとき
最初の難関は本線への合流です。免許を取得した人でも合流に苦手意識を感じている方は少なくありません。合流地点は事故が発生しやすい場所でもあります。
ポイントはしっかりと加速することです。加速車線に到達して制限速度が解除されたらアクセルを踏み込んで本線を走っている車と同じくらいの速度まで一気に加速しましょう。ここで「怖いから」といって減速するのはかえって危険です。本線を走っている車との速度差が生じて追突事故につながる危険性があります。躊躇なくアクセルを踏みましょう。
加速したら合図を出し、サイドミラーやバックミラーで後方や側方も確認しつつ、本線を走行している車と車の間にスムーズに合流しましょう。
高速道路走行中
車間距離
高速道路で安全に走行するために大切なのは前の車との車間距離です。100km/hなら100mは車間距離を取りましょう。これくらいの距離であれば前の車がブレーキを踏んだとしても安全に止まれる可能性が高いです。実際に車間距離をとらなかったために追突事故やあおり運転などのトラブルが発生するケースが多発していますので、特に意識してください。
遠くを見る
走行中はなるべく遠くを見るように心がけてください。運転がスムーズになり、渋滞や落下物、事故などを早めに察知できるようになります。
看板や標識を見逃さない
看板や標識にも注意を払いましょう。速度制限の標識を見逃して違反になってしまったり、看板を見逃して目的地のICで降りられなかったりすることがあります。
車線変更に注意
車線変更も事故が発生しやすいポイントです。合流と同じような要領で、行きたい車線の流れに合わせてスムーズに車線変更しましょう。
速度
高速走行に慣れてくると無意識に速度を上げていることがあります。常にメーターで「今自分が何キロで走っているか?」「速度制限を守っているか?」を確認しましょう。
高速道路を降りた後のスピードに注意!
高速道路を長時間走っているとスピード感に慣れてきます。ついつい一般道に降りた後でも、高速道路と同じような感覚で走ってしまいがちですが、一般道は交通量も多く歩行者や自転車がいて大変危険です。
高速道路の本線から出た後は制限速度までしっかりと減速しましょう。料金所から一般道に合流するまでにゆっくり走ればクールダウンすることができます。
まとめ
高速教習には注意点もさまざまありますが、決して怖いものではありません。以上で解説したポイントを意識すれば、むしろリラックスして運転することができます。また、今回の記事は免許を取得した後に一人で高速道路を走る際にも役立つ内容になっています。ぜひ、参考にして高速道路でのドライブを楽しんでください。
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