運転免許を取得するにあたって、教習所ではどのような勉強をするのでしょうか。自動車教習は「学科教習」「技能教習」の2種類に分かれています。また「第一段階」「第二段階」とそれぞれ段階を踏んで知識やスキルを習得していくのがおおよその流れです。また教習は一定の期限内で終える必要があるため、計画性を持って進めなければなりません。この記事では自動車教習で知っておくべき有効期限をお伝えするとともに、実際の試験に合格するためのポイントについて解説します。
免許取得までの全体の流れについては【普通自動車免許│教習所入校から免許取得までの流れ】に詳しく記載されています。より理解を深めるため、こちらを一読してから本記事を読むのがおすすめです。
目次
自動車教習は「学科教習」と「技能教習」に分けられる
免許を取得するための自動車教習では、学科教習と技能教習の2種類を受講します。教室で講義を受ける学科教習に対し、技能教習は実際に車を運転して学びます。それぞれの違いについて詳しくご紹介します。
「学科教習」とは
自動車教習の「学科教習」は、運転に必要なマナーに関しての教習です。学校の授業と同様、教習生が教室に集まり、複数人で学びます。一コマ「50分」で区切られ、約10分はビデオ学習でスタートする場合が多くなっています。車を運転するための「勉強」のため、人によっては睡魔に襲われたり、時間をもてあましたりする可能性もあります。加えて集団での教習のため、「直接わからないことを質問しづらい」と思う方もいるかもしれません。
「技能教習」とは
大人数で講義を受ける「学科教習」に対し、指導員がマンツーマンで教えてくれるのが「技能教習」です。実際に車に乗り、運転技術を指導員から教わります。個別指導で行われるケースが多いため、教習生の苦手箇所を理解してもらった上での指導が受けられます。例えば教習カルテをもとに「要注意ポイント」などが引き継がれるため、スピーディーな技術向上が期待できます。1対1の指導のため、他の生徒の目を気にする必要もありませんし、疑問点もすぐに尋ねることができます。一方、指導員に常にチェックされているような「緊張感」が感じられるシーンもあるでしょう。
自動車教習におけるテスト「効果測定」「みきわめ」って何?
自動車教習には、「学科」と「技能」それぞれの教習を受講した証としてクリアすべき壁があります。どちらも一定の時限数を受講すると、実力を試す「小テスト」が設けられ、小テストに合格しなければ先に進めません。「効果測定」「みきわめ」と呼ばれるもので、「仮免許学科試験」や「卒業検定」などの大きなテストの前に実施されます。
「効果測定」は、学科教習の内容の習熟度を測るために行います。「模擬テスト」のようなものです。「みきわめ」とは、技能教習の内容を理解できているかどうかを確認し、スキルが一定ラインに到達しているかどうかを「見極め」ます。正しい知識・技能を習得しているかのチェックポイントであり、「落ちたらどうしよう」と必要以上に焦る必要はありません。ただし小テストに合格しなければ次のステップである「仮免許学科試験」や「卒業検定」は受けられません。
基準に達していないと判断されると、追加教習を受ける必要が出てきます。各授業の内容をしっかり頭に入れ、自らの運転スキルを高めるよう努力することが求められます。
学科教習の「第一段階」「第二段階」とは?
学科教習、技能教習はそれぞれ、第一段階と第二段階とステップを踏んで学んでいくのが一般的です。まずは学科教習の第一段階と第二段階の違いについて解説します。
「第一段階」の学習内容
学科教習における「第一段階」は基礎的な内容の習熟です。先ほどお伝えした通り、50分1コマ単位の集団指導を10時限の中で、車の運転に必要な交通ルールやマナーを学びます。歩行者保護などを含め、路上を運転するうえで知っておくべき「法令」を中心とした14項目を覚える必要があります。
例えば「車を運転するうえでの「譲り合い」の精神や思いやりの心得について記されているのが「運転者の心得」の項目です。また「運転免許制度・交通反則通行制度」の項目では、道路交通法の重大違反(酒酔い運転、麻薬等運転)など違反行為などの点数や違反内容に触れられています。
【第一段階の14項目】 | ||
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① 運転者の心得 | ② 信号に従うこと | ③ 標識・標示などに従うこと |
④ 車が通行するところ・ 車が通行してはいけないところ |
⑤ 緊急自動車などの優先 | ⑥ 交差点などの通行・踏切 |
⑦ 安全な速度と車間距離 | ⑧ 歩行者の保護など | ⑨ 安全の確認と合図・警音器の使用 |
⑩ 進路変更など | ⑪ 追い越し | ⑫ 行き違い |
⑬ 運転免許制度・交通反則通行制度 | ⑭ オートマチック車の運転 |
「第二段階」の学習内容
学科教習における「第二段階」では、第一段階よりもより実践に即した内容を学びます。トータルで16時限の受講が必要です。第一段階の14項目を踏まえ、「安全に運転するための知識」や「応急救護」など新たな16項目について知識を習得していきます。16項目のうち「悪条件下での運転」では、夜間や雨天時などに注意するポイントを理解します。「交通事故のとき」の項目では万が一交通事故を起こしてしまった場合の対処法、運転者の義務についてもしっかり学習します。
【第一段階の16項目】 | ||
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① 危険予測ディスカッション | ② 死角と運転 | ③ 適性検査結果に基づく行動分析 |
④ 人間の能力と運転 | ⑤ 車に働く自然の力と運転 | ⑥ 悪条件下での運転 |
⑦ 特徴的な事故と事故の悲惨さ | ⑧ 自動車の保守管理 | ⑨ 駐車と停車 |
⑩ 乗車と積載 | ⑪ けん引 | ⑫ 交通事故のとき |
⑬ 自動車の所有者などの心得と保険制度 | ⑭ 経路の設計 | ⑮ 高速道路での運転 |
⑯ 二人乗り運転に関する知識 |
技能教習の「第一段階」「第二段階」とは?
学科教習と同様、技能教習も「第一段階」「第二段階」に区分されています。技能教習における「第一段階」と「第二段階」にはどのような違いがあるのでしょうか。順にご紹介します。
「第一段階」の教習内容
実際に車を動かして、操作方法を身につけるのが技能教習です。第一段階では、教習所内に設けられたコース内を走行し、基本的な運転操作を学びます。2時限目からは実際に教習車(教習用の車)に乗りこみ、運転技能を身につけていきます。助手席には指導員が乗り、横でアドバイスをしてくれます。実は教習車には助手席に補助ブレーキがついており、危険があれば隣の指導員が補助してくれます。事故や怪我の心配もありませんので、安心して取り組んでください。
取得する免許が「AT限定」の場合は12時限、「普通自動車(MT)」では15時限の教習を受ける必要があり、時限数が異なります。また法令により「技能教習は1日に2時限までしか受けられない」と定められている点にも注意しておきましょう。
「第二段階」の教習内容
第二段階では、「教習所内のコース」に加え、「実際の路上」にも出て運転スキルを学びます。第二段階には実際に高速道路を運転する「高速教習」も行います。「AT限定」「MT」どちらも、19時限の教習を受けなければなりません。第二段階では、「安全運転知識」の理解を重視しているのが特徴です。安全運転知識に関連する急ブレーキ体験や悪条件下での運転体験、危険予測学習などの内容が多く盛り込まれています。
免許取得までのさまざまな有効期限
免許取得のための自動車教習には、「法律で定められた有効期限」が存在します。この期限は原則、延長が認められません。例えば「教習の有効期限」は9か月以内、「仮免許学科試験の有効期限」3か月以内となっています。また「仮運転免許証の有効期限」は6か月以内、「卒業検定の有効期限」は3か月以内で、「卒業証明書の有効期限」についても1年以内と決められています。
最初にお伝えした通り、有効期限の延長は原則不可能です。仮に有効期限が切れてしまったら、一度退校して再度入校する必要があります。再入校後、あらためて教習を受けることになります。
学科試験に受かるためのポイント
学科試験に受かるための最も大切なポイントは、学科教習時に指導員が強調していた内容をまとめ、頭に入れることです。また問題の傾向を分析するため、教習所にあるパソコンで過去問を何回も解くのもおすすめです。過去問を何度も繰り返しこなすうちに、おおよその傾向がつかめてきます。出題されていた標識やデータなどは語呂合わせなどでしっかりと覚えておくようにしましょう。
また学科試験で出題される問題の中には、多くのひっかけ問題も含まれます。あえて回答を迷わせ、ケアレスミスを誘う出題内容となっており、しっかりと問題文を読むことが大切になります。
【まとめ】計画的に教習を受け、確実に免許を取得しよう
自動車教習には座学の講義である「学科教習」と実際に運転する「技能教習」があります。それぞれ「第一段階」「第二段階」のステップを踏んで、免許取得を目指すことになります。また免許収録に至るまでには、さまざまな有効期限が存在します。有効期限は延長ができませんから、計画的に教習を受けなくてはなりません。教習所に通うペースや自主学習を行う頻度などのスケジュールを立てることが、確実に免許を取得できる近道と言えるでしょう。
とはいえ、自分で計画を立てるのは難しいものです。計画を立てるのが苦手な方の選択肢として、合宿での免許取得もおすすめです。確実に免許を取得したい方に向け、旭川の優良教習所をご紹介しています。教習所選びに迷っている方はぜひご活用ください!