親の転勤など家庭の事情で引っ越ししなければいけない場合、小中学校や高校なら転校することができますが、教習所でもそれは可能なのでしょうか?
もし転校できるなら、どのような手順で、どのような手続きが必要なのでしょうか?
今回の記事では教習所の転校について解説します。
教習中だけど引っ越ししなければいけないという方、引っ越しがあるかもしれないけど教習所に通って免許を取りたいという方は参考にしてみてください。
目次
そもそも教習所は転校できるのか?
結論から言うと教習所では何度でも転校することができます。
ただし、教習期限というものが定められていて、その期間内であることが条件です。
教習所の教習には有効期限が決められています。
普通自動車免許の場合は9ヶ月で、その間にすべての教習を完了させる必要があります。
たとえば7月1日に教習がスタートした場合、6ヶ月後の翌年3月31日が期限です。
この期間内であれば自由に転校はできます。
ただし、教習期限が迫っていると転校を受け入れてくれない教習所もあるので事前に教習期限がいつなのか?転校先の教習所が対応してくれるのか?しっかりと確認しておきましょう。また、教習期限を過ぎてしまうと転校するにせよしないにせよ、教習自体が無効になり、最初からやり直しになってしまいます。
車種 | 普通車 | 普通自動二輪 大型自動二輪 |
準中型 中型 大型 |
普通2種 中型2種 大型2種 |
大型特殊 | けん引 |
---|---|---|---|---|---|---|
教習期限 | 9か月 | 3か月 |
転校と退校は全く違う!教習所に相談してみよう!
転校と似たような言葉で「退校」というものがあります。
退校とは教習所を辞めてしまうことです。一度退校してほかの教習所に新たに入り直すこともできますが、その場合は教習期限が残っていたとしても、退校した教習所で受けた教習がすべて無効になり、また最初からやり直すことになってしまいます。
その分、費用や免許取得までの時間もかかることになり非常にもったいないです。
転校であれば教習を引き継ぐことができ、新しい教習所では途中から受けることができます。転校と退校。似たような言葉でも、大きく意味合いが異なるのです。
引っ越しなどがあってほかの教習所で続けて教習を受けたい場合は、退校ではなく「転校」で手続きを行いましょう。
教習所を転校するための手続きの流れ
それでは教習所を転校するためにはどのような手続きが必要なのでしょうか?
ここからは転校するまでの流れについて見ていきましょう。
しっかりと転校手続きを行えば、新しい教習所で教習を続きから受けられるのでご安心ください。
現在通学している自動車教習所に相談する
まずは今通っている教習所に相談しましょう。先ほどもご説明したとおり、新しい教習所に教習を引き継ぎたい場合は「転校」したいことを伝えてください。
必要な手続きについて教えてくれるはずです。
ただ、転校が発生するケースはそれほど多くありません。職員が手続きに慣れていない場合もあるので、事前に電話などで連絡しておくとスムーズです。 また、転校することが決まったらなるべく早めに相談しましょう。
いつ転校するか?どの教習所に転校するのか?を伝えれば、それに合わせて手続きをしてくれます。また、完了していない教習の料金は返金してくれます。
どれくらいの返金額になるかも確認しておきましょう。
転校しようとしている自動車教習所に連絡する
転校先の教習所にも連絡します。「教習中の免許の種類」「教習の進捗状況」「教習の期限、または今の教習所に入校した日」を伝えます。こちらに関しても今通学している教習所に確認しておきましょう。
特に教習期限によっては転校を断られることもあります。また、転校先の教習所の状況によってはスムーズに予約が取れず、取得までに時間がかかるかもしれません。
特に教習期限については正確に把握し、転校先で問題ないかどうか確認しておきましょう。
現在通学している自動車教習所で退所の手続きを行う
転校先に確認して受け入れが可能でしたら、今通学している教習所の「退所」手続きを行います。何度もお伝えしますが、「退校」手続きをしてしまうと教習がやり直しになってしまいますので、ご注意ください。
手続きが終わったら「入校の際に提出した本人確認書類」「教習の進捗がわかる書類」を受け取り、未完了分の教習料金の返金があります。 書類に関しては転校先で必要になるので、確実に受け取って無くさないようにしてください。
転校する自動車教習所への入校手続き
今通っている教習所の退所手続きが完了したら、転校先の入校手続きを行います。
「本人確認書類」「教習の進捗がわかる書類」を提出し、教習料金を支払いましょう。
予約の方法など若干異なるかもしれませんが、教習は基本的にどの教習所も変わりません。前の教習所と同じような感覚で教習を受けることができます。
教習所を転校する際の3つの注意点とは?
教習所は自由に転校できますが、注意点がいくつかあります。
スムーズに免許を取得するために、転校する際には以下の3つを意識しておきましょう。
返金はあるが、ほとんどの場合で余分に費用が生じてしまう
転校した場合、元の教習所で行わなかった分の教習料金が返金されます。ただし、入校時に支払った費用には入校料や教科書代、事務手続きの手数料なども含まれており、これらは返金されません。あくまで戻ってくるのは完了していない教習料金のみの場合がほとんどです。
転校先でも入校料や教科書代、手数料などがかかるので、一校で教習を受けた場合よりも多くの費用がかかってしまいます。手続きも大変なため、引っ越しなどのやむを得ない事情がない限り転校しないほうが無難です。
転校した場合でも教習期限は引き継がれる
先ほどもご説明したとおり、教習には期限があり、それを超えるとまた一から教習をやり直さなければいけません。転校すれば教習期限も引き継がれるので、勘違いしないよう注意が必要です。
たとえば教習期限が9ヶ月間の普通自動車免許を取得するために教習所に6ヶ月通っていた場合、転校先での有効期限は3ヶ月となり、その間に教習を完了させなければいけません。
自動車教習の環境が変わってしまう
教習の大きな流れはどの教習所でも共通ですが、教習コースや教習車などの環境が異なります。最初のほうは車の操作性や大きさの違い、場内コースの経路や路上教習コースの道路事情や交通状況の違いなどに戸惑いを感じるかもしれません。
また、当然ながら指導員も変わります。教習の雰囲気や指導方針も異なるので、新しい指導員の指示に従って早く順応する必要があります。
まとめ
教習所はしっかりと手続きを行えば転校はできるので、急な引っ越しなどがあってもご安心ください。ただし、不備があると教習をはじめからやり直しになってしまったり、免許取得まで時間がかかってしまったりするケースもあり得るので、教習所と相談しながら正確に・早めに手続きを行いましょう。
教習所ごとに微妙な違いはありますが、真面目に教習を受ければ問題なく免許が取れます。新しい教習所でも頑張ってください。