車の免許を取りたい!と考えた時にまず選択を迫られるのが「オートマ?それともマニュアル?」ということです。
教習にかかる費用や時間を考えて選ぶ方法もありますし、仕事で免許が必要な場合、会社の方から指示されることもあります。
今記事ではこの2つの免許の違いについて、メリットとデメリットも含め知っておきたいことを詳しくご紹介します。
オートマとマニュアルはどう違う?
オートマ車、マニュアル車といわれてもこれから免許を取ろうと考えている人にはよく分からないかもしれません。まずはその違いを見ていきましょう。
オートマ車とは自動でギア変換される車のこと
自動車はエンジンの動力をタイヤに伝えることで走行します。この時に車の速度に合わせて変速機を切り替えるギアチェンジを、車が自動でしてくれるのがオートマ車です。オートマ車ではエンジンとブレーキだけをドライバーが操作すればよいため、近年では多くの車がオートマ車になっています。
マニュアル車とはドライバーがギア変換を行う必要のある車のこと
オートマ車と違い、マニュアル車にはギア変換の操作に必要なクラッチがあります。ドライバーはアクセルとブレーキに加え、クラッチを操作して運転しなければいけません。スポーツカーなどスピードの切り替えの早さが求められる車や、トラック、工事用車両などはマニュアル車です。
オートマ限定免許を取得する人は増加傾向にある
警察庁が毎年発表している「運転免許統計」によると、普通免許を取得する人の中で、オートマ限定で免許を取得する人の割合は年々増加傾向にあります。その理由としては、新車でオートマ車が増えていること、教習所でオートマ限定の方が教習時間が短く早く免許を取得可能といったことが挙げられます。ただし、会社によってはマニュアル免許所持を求められていることもあります。また外車はマニュアル車の割合が高くなっています。
オートマとマニュアル、それぞれのメリットとデメリット
オートマとマニュアル、どちらの免許を取るべきか悩んでいるなら、それぞれのメリットデメリットもぜひ参考にしてみてください。
オートマ車のメリットとデメリット
メリット
オートマ車のメリットは、運転操作のしやすさが第一に挙げられます。加速や減速も車に任せればいいので、スピードに注意して運転すればよく初心者でも操作しやすいといえます。また、免許取得時にはオートマ限定の場合マニュアルより3時間実習時間が少ないのでその分費用が安くなります。
デメリット
オートマは運転がしやすい反面、ブレーキとアクセルの踏み間違いが起こりやすく、事故も多い傾向にあります。また、オートマ車だけに起こる、ブレーキから足を離すと前進してしまうクリープ現象があります。これはギアがパーキング・ニュートラル以外に入っていて、エンジンがかかっている状態で発生するものです。また自分で加速の調整ができない分、アクセルを踏み込みすぎてスピードがいつの間にか上がってしまうといったことも起こりやすく、運転には注意が必要です。またオートマ限定の免許ではマニュアル車の運転はできません。仕事上マニュアル車の運転をする必要が出てきた場合には、オートマ限定解除が必要となります。
オートマ限定解除とは
限定解除審査を受け、合格することでオートマだけでなくマニュアルも運転が可能となります。限定解除審査には、2つの方法があります。
運転免許試験場での審査
試験場でマニュアル車を運転し、技能をチェックされます。その場で合否が判断されます。試験車両の使用料と手数料3,000円が必要です。
指定自動車教習所での審査
技能講習を4時間以上(3日)受けた後、場内審査が行われます。教習料金と検定料金で50,000円以上必要となることがほとんどです。合格できなかった場合、再度講習を受け、審査を受けることも可能です。ただし追加の技能講習(補習分)と検定料金が再度必要です。
比較表・オートマのメリットとデメリットまとめ
メリット |
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デメリット |
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マニュアル車のメリットとデメリット
メリット
マニュアル免許があれば、マニュアル車だけでなくオートマ車も運転可能であることが大きな強みです。会社によってはオートマ限定では応募不可な職種もあるため、マニュアル車が運転できることで仕事の幅が広がる可能性もあります。また、マニュアル車は自分でギアの切り替えができるため、「運転している感覚」が強く、運転が好きな人はマニュアルを選ぶ傾向があります。さらに、スピードに合わせたギアの切り替えができることから燃費が良く、ガソリンの節約にもつながります。また外車は国によってはオートマ車がないこともあるため、海外で運転する必要がある場合にはマニュアル免許がある方が便利です。マニュアル車はオートマ車と違い、アクセルとブレーキの踏み間違いが起きる可能性が低いこともメリットの一つです。もし踏み間違えをしても、クラッチペダルを踏んでいれば車が前進することはほぼないので事故につながる可能性は低くなります。その点ではオートマ車よりは事故が起こりにくいといえます。
デメリット
マニュアルはオートマより教習時間が長く、費用がかかります。それに加え、ミッション車は操作が難しく試験の難易度が上がるため、補習が必要になることも多くなります。そういったことから「ミッションは免許を取るのが難しい」といわれています。また市場で出回っている車はオートマ車が増えてきており、ミッション車の運転をする機会が少なくなっています。ミッション車はオートマ車より価格が高く設定されていますので、購入時には注意が必要です。
比較表・マニュアルのメリットとデメリットまとめ
メリット |
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デメリット |
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オートマ免許を取るのとマニュアル免許を取るのとどっちがいい?
オートマとマニュアル、どちらの免許を取った方がいいのか悩んでいるなら、どう判断すべきか以下のことも考えてみましょう。
なるべく早く免許を取りたいならオートマがおすすめ
就職などでなるべく早く免許を取りたい、と考えているならオートマを選びましょう。オートマは運転がしやすいため、検定にも受かりやすいのがメリットです。マニュアルは発進時や坂道発進でエンストを起こしやすく、再検定となることが多くあります。その分補習料金が必要となるため、できるだけお金をかけず短期間で免許を取得したいならオートマにしたほうが無難です。またマニュアルで申し込んで後からオートマに変更することは可能です。実際に運転してみたらマニュアルは難しいと感じたなら変更してもいいでしょう。
トータルの金額でお得な方を選びたいならマニュアルがおすすめ
オートマ限定で免許を取得した後、就職などでマニュアル車を運転する必要が出てくることもあります。この場合、限定解除を受ければいいと考えるかもしれません。ただ、限定解除は免許試験場で即合格できればいいですが、練習したいと考えた場合は教習所で別途講習費用を支払う必要が出てきます。マニュアルで免許を取っておけば、マニュアルでもオートマでも対応できるのでトータルで考えるとお得になります。
まとめ
免許取得の際に、マニュアルかオートマかどちらを選ぶかは悩むところです。日本ではオートマ車の割合が高くなっており、マニュアル車は割高の傾向にあります。ただ、仕事でマニュアル車を運転する必要がある場合や、海外で運転する必要がある場合には、マニュアルの免許を取っておいた方が限定解除を考えなくてもいいためメリットがあるといえます。今だけでなく今後のことも考えて、どちらにするかを決めることをおすすめします。